素養のある方はごく一部で、多くの方が苦労されることになるわけですが、彼は努力次第では教材だけで音をマスターすることが可能であることを実証してくれた素晴らしい見本です。
初めてお会いし時にビックリしたのは、当時に私が販売していた教材を全てマスターしており(現在の3分の1の量)、教材の中で述べている事も全て理解されていました。その日マジシャンであることにビビり断るつもりでしたが、この方を教えずして誰を教えるとお教えすることに決めました。その後動画の録画編集・HPや販売サイトの作成管理などを行ってお手伝い下さっています。
彼の素晴らしいところは、一度学んだ音は英語を話す時も崩壊しない程体の芯まで吸収されているところです。これって言うが易しで、普通はそこまで努力するのは厳しいものです。つまり慌てるとカタカナに戻ってしまいがちになる。なぜ彼がここまで身についているかというと、それにはマジシャンであるという彼の本職が大いに関係しているようです。ここでご本人に聞いてみましょう。
秋元さん
「マジックの練習をやっているとたった一つの動作に数週間から数ヶ月の練習を要することも少なくないので、そもそも練習に時間がかかることに慣れているというのはあると思います。慣れているから楽というわけではないですが、時間がかかるものだと受け止めています。その練習をどのようなつもりで行い、どこを目指せば良いかという練習の仕方が確立されているのは大きいかもしれません。
また、マジックでは、ある動作が出来るようになってもそれが気持ちの準備をして「今からやるぞ」と意識すれば出来るというレベルではまだ不十分で、身体が覚えていちいち最初にこうして、次にああして、と考えないでも動けるようにならないと演技の中で自然に見えるように使えるようになりません。発音も英語を話しているときに次にthの準備をして、次はrでと考えないと出来ないうちは話すことに集中できず、この点も共通点だと感じます。」
だそうです。ビックリでしょ?すごいですね!!(^^)
追記:今回のブログの内容に加え、FBにても秋元さんよりコメントいただきました。
併せて掲載しておきます。
「今にして思えばあの音の練習は大変だったと思える音もありますが、何かを習得する達成感で続いていたように思います。藤井さんによる、出来ないところからどうやって徐々に段階を経て出来るところまで持って行くかという練習方法が自分に合ってたのもあると感じます。
さて、発音が定着し、いちいち考えなくても音が出せるようになるとその分、話すのが楽になり、話している内容に集中出来るというのは当初は考えてもみなかった発見でした。
人が話しているときに手を動かすのは言葉の音的なリズムや抑揚に合わせて手が動くときと、意味に呼応して動くときがあります。自分の動画を見返してみるとHow good? Or how bad?のときに対比させるように手が動くとことか、focus onのときに手がそれっぽい動きをするとか意味に呼応して動く箇所があり、意識が音を作ることに持って行かれることなく、話の内容に集中できる余裕が出来たのだなと、そんなことを考えました。」